たった一度のモテ期なら。
小林くんとはその後会社帰りに会って約束の本を渡し、誘われてご飯を一緒に食べた。
本はいつでもいいから西山に渡しておいてくれてもと言ったら「ニシはぱしられるの嫌がるんだよね」と意外とはっきり断られてしまった。
読み終わったら連絡すると言われて、しばらく仕事が忙しいから急がないでいいよ、と答えてみる。
小林くんは「そうか、ゆっくり読めて助かる」とニコニコしているだけだ。
「西山って私のこと何か言ってた?」
ふと気になって聞いてみた。脚本スクールのこととか、小林くんに言ってはいないだろうと思うけれど。
「彼氏はいないっていうのは聞いたけど」
と小林くんがにっこりする。
俺と付き合わない?なんて言われるのかと一瞬身構えたけれど。
「うちの同期も仲いいけど、趣味合う奴いないんだよね。技術書か漫画なら読むって奴らで」
と返ってきた反応に、過剰反応した自分を反省する。
小林くんはSEをやっていてかなり男性率が高い職場だって聞いたから、女友達が欲しい感じなのかもしれない。
私の考えすぎだったよね。
もー、綾香のせいで自意識過剰だ! 何がモテ期だよ。しかもあの貴公子のせいで、最近変に褒められ慣れしてるのかも。
妙に調子に乗らないように気をつけないと。
本はいつでもいいから西山に渡しておいてくれてもと言ったら「ニシはぱしられるの嫌がるんだよね」と意外とはっきり断られてしまった。
読み終わったら連絡すると言われて、しばらく仕事が忙しいから急がないでいいよ、と答えてみる。
小林くんは「そうか、ゆっくり読めて助かる」とニコニコしているだけだ。
「西山って私のこと何か言ってた?」
ふと気になって聞いてみた。脚本スクールのこととか、小林くんに言ってはいないだろうと思うけれど。
「彼氏はいないっていうのは聞いたけど」
と小林くんがにっこりする。
俺と付き合わない?なんて言われるのかと一瞬身構えたけれど。
「うちの同期も仲いいけど、趣味合う奴いないんだよね。技術書か漫画なら読むって奴らで」
と返ってきた反応に、過剰反応した自分を反省する。
小林くんはSEをやっていてかなり男性率が高い職場だって聞いたから、女友達が欲しい感じなのかもしれない。
私の考えすぎだったよね。
もー、綾香のせいで自意識過剰だ! 何がモテ期だよ。しかもあの貴公子のせいで、最近変に褒められ慣れしてるのかも。
妙に調子に乗らないように気をつけないと。