たった一度のモテ期なら。
「違うよね、なんか別の人のこと考えてるよね。あいつははずみじゃなくて確信犯って言ったでしょ。吐きなさい。こうなったら全部吐きなさい」
小林くんのことを相談する振りで西山の行動の意味を探ろうとしたのに。なんでわかっちゃうのと思っても、言い逃れの言葉が思いつかずとにかく首を振る。
「課長じゃないんだよね?私の知ってる人で、奈緒にいきなりキスしそうな?ていうかそれセクハラじゃない?まさか同期?」
目が泳がないように必死で取り繕ったが無駄だった。
「ちょっと、同期の誰よ。そんなの西山じゃなくたって私も怒るよ」
「西山には言わないでね」
「なんで?」
「し、知られたくないし」
「小林くんの話も知られたくないんだったよね?奈緒、まさかと思うけど」
綾香はそこで黙った。なんでこうやってみんなにバレちゃうんだろう、と自分の防御力の低さを呪いたい。
「そうなの、西山が好きなの。今頃気づいてバカでしょ」
「ああ、そっちなの。今更厄介なのを……西山って彼女の優先順位すごい低いよね。ああいう男はなぁ」
「去年の彼女とも続かなかったね」
「ほったらかしてるんでしょ、淡白だかなんだか。で、西山には言わないから言ってみて。誰にはずみでキスされちゃったわけ。そいつは小林くんみたいに撃退しなくていいんだよね?」
綾香はそこで間をおいてから、驚いたように目を見開いた。
「って、西山なの?」
小林くんのことを相談する振りで西山の行動の意味を探ろうとしたのに。なんでわかっちゃうのと思っても、言い逃れの言葉が思いつかずとにかく首を振る。
「課長じゃないんだよね?私の知ってる人で、奈緒にいきなりキスしそうな?ていうかそれセクハラじゃない?まさか同期?」
目が泳がないように必死で取り繕ったが無駄だった。
「ちょっと、同期の誰よ。そんなの西山じゃなくたって私も怒るよ」
「西山には言わないでね」
「なんで?」
「し、知られたくないし」
「小林くんの話も知られたくないんだったよね?奈緒、まさかと思うけど」
綾香はそこで黙った。なんでこうやってみんなにバレちゃうんだろう、と自分の防御力の低さを呪いたい。
「そうなの、西山が好きなの。今頃気づいてバカでしょ」
「ああ、そっちなの。今更厄介なのを……西山って彼女の優先順位すごい低いよね。ああいう男はなぁ」
「去年の彼女とも続かなかったね」
「ほったらかしてるんでしょ、淡白だかなんだか。で、西山には言わないから言ってみて。誰にはずみでキスされちゃったわけ。そいつは小林くんみたいに撃退しなくていいんだよね?」
綾香はそこで間をおいてから、驚いたように目を見開いた。
「って、西山なの?」