たった一度のモテ期なら。
6章 思ってたのと違う恋です。
夜明けに淡く光る白いシーツの間で、もぞもぞとおはようを言い合う。
同時に今起きたふりをしているけれど、私は結構前から目が覚めていて。初めて見る西山の寝顔を不思議な気持ちで眺めながら、やっぱりちゃんと聞こうと考えていた。
綾香が小林くんのことで言っていた「丸め込まれてやられちゃったら」という状況にも思える。でも西山がこのあと何もなかったように私をほっぽりだす人だとも思えない。
だからうやむやな状態に逃げずに聞いてみる。せめてそれが私なりの自分から行くこと。綾香には「甘い」って怒られそうだ。
でもいいの、綾香は綾香、私は私だから。
「眠れた?」
「うん。あのね、私達ってこれからどうするのかなって思って」
「今日なんか予定ある?」
「ううん」
「俺も。どっか行くか、それかうち来る?」
何の気なしの、いつもの西山。
口調はまるでただの同期みたいだけれど、ベッドで横になったまま、片手で髪を撫でられているのはそうじゃないってこと?