【完】俺がずっと、そばにいる。
その時の俺はかなり感じ悪かったと思う。
それでもゆずはそんな俺のことを苦手だとは思わなかったらしい。
その後も授業中とか、休み時間とか、たびたび向こうから話しかけてきた。
『梨月くん、教科書忘れたから見せてもらっていい?』
『梨月くん、このチョコおいしいよ。一個食べる?』
自分で言うのもなんだが、当時から女子によく告白されたりキャーキャー言われていた俺は、馴れ馴れしい女が大嫌いだったから、ゆずのことも最初ウザいと思っていた。
だけど、彼女はどうも他の女子と違って俺に対して下心はないらしく、話しているうちにそれがわかってきたので、だんだんと俺も警戒しなくなってきた。
それに、関わってみると、最初思っていたイメージとだいぶ違う。