【完】俺がずっと、そばにいる。

たしか、お互いに好きだった小説が映画化したから見に行こうって話になって、隣駅前の大きな時計の前で待ち合わせをしたんだ。


俺は遅くとも5分前にはその場に着こうと思って、余裕を持って家を出た。


駅には少し早めについていたと思う。


だけど、改札を出たところで、運悪く中学時代の知り合いにバッタリ会ってしまった。


大声でキャッキャと騒ぐ派手な女子の集団。


『キャーッ!ウソッ!あれ、梨月くんじゃない!?』


『うわっ、ほんとだ!』


『やばい!なんかさらにカッコよくなってる!!』


俺はそいつらのことがとにかく苦手だったので、無視してすぐに逃げるつもりだった。


だけど結局しつこくつきまとわれて、しまいには捕まってしまう。


< 134 / 376 >

この作品をシェア

pagetop