【完】俺がずっと、そばにいる。

『ねぇねぇ、一人で何してんの?』


『もしかしてデート!?』


『うそ、やだっ!彼女いるの~?』


『……いねぇよ。デートじゃねぇし』


彼女とデートだとか思われたら面倒だから、もちろんすぐに否定したけれど、このままついて来られてゆずと待ち合わせてるのを見られたらどうしようと思い、一瞬焦った。


こいつらのことだから、絶対大騒ぎするにきまってるし。


『とにかく俺、行くから』


無理矢理振り切って、先を急ぐ。


『えーっ、待ってよ~!』


『どこ行くの~?』


『せっかく久しぶりに会ったんだから一緒に写真撮ってよ~』


それでもしつこく追いかけてくる奴らから逃げたくて、あえて待ち合わせ場所の時計があるほうとは反対の出口から出て遠回りをしたりしてたら、約束の時間を過ぎてしまっていた。


なんとか女子の集団から逃げられたのはいいが、時計の前に着いた瞬間、時刻を見てハッとする。


< 135 / 376 >

この作品をシェア

pagetop