【完】俺がずっと、そばにいる。
「そうなんだ。なんかまるで芸能人だね」
「ナルシストって噂だけどね~。修学旅行とか、ますますどこ行くにも騒がれて大変だよね」
「た、確かに。有名人は大変だね」
他人事のように呟いたら、急に私の目をじっと見る琴子。
「柚月も負けてないとは思うけどね」
「……えっ!なんで?」
「だって、うちの学年で柚月のこと知らない人なんていないと思うし」
「そ、そんなことないよっ!私そこまで有名じゃないからっ」
「じゅうぶん有名だよ~」
「いやいや、それを言うならりっくんだって……!」
そう言って後ろを振り返る。
すると、そこにはもうりっくんと玲二くんの姿はなくて、いつのまにかさっさと先にいってしまったようだった。
「あれ?そういえば梨月くんたちは?」
「先に出口まで行っちゃったみたいだね」
「早っ!」