【完】俺がずっと、そばにいる。

「そうなんだ。なんかまるで芸能人だね」


「ナルシストって噂だけどね~。修学旅行とか、ますますどこ行くにも騒がれて大変だよね」


「た、確かに。有名人は大変だね」


他人事のように呟いたら、急に私の目をじっと見る琴子。


「柚月も負けてないとは思うけどね」


「……えっ!なんで?」


「だって、うちの学年で柚月のこと知らない人なんていないと思うし」


「そ、そんなことないよっ!私そこまで有名じゃないからっ」


「じゅうぶん有名だよ~」


「いやいや、それを言うならりっくんだって……!」


そう言って後ろを振り返る。


すると、そこにはもうりっくんと玲二くんの姿はなくて、いつのまにかさっさと先にいってしまったようだった。


「あれ?そういえば梨月くんたちは?」


「先に出口まで行っちゃったみたいだね」


「早っ!」


< 155 / 376 >

この作品をシェア

pagetop