【完】俺がずっと、そばにいる。
こういうところはさすが、女の子の扱いに慣れているのか、うまく言いくるめようとしてくる彼。
だけど、こういうのははっきり断らなくちゃ。
私がはっきり言わないからりっくんにも迷惑かけちゃうんだ。
「いいのっ。別に私落ち込んでないし、もう大丈夫だから。ほっといてっ!」
そう言って咲夜くんが掴んでいる手をグイっと引っ張る。
しかしながら、そんな私を見て顔を曇らせるどころか、ますます笑顔になる咲夜くん。
「あははっ。強がっちゃって~」
ちょっと強く言っても全然きいてないみたい。どうしよう。
「とにかく私、もう……っ」
するとそこで、急に後ろから誰か駆け寄ってくる足音がして。
ハッとしたのもつかの間、瞬時に背後から腕が伸びてきて、抱き寄せるように体ごと捕まえられた。
「おい、いいかげんにしろっ!」