【完】俺がずっと、そばにいる。
そして、嫌味っぽくそう告げると、さすがにそこであきらめたのか、やれやれといった表情でホテルのほうへと帰っていった。
はぁ、よかった……。
咲夜くんがいなくなって、ホッと胸をなでおろす私。
りっくんもそこでようやく私から身を離すと、ふぅっと呆れたようにため息をつく。
「ったく、やっぱりお前危なっかしいな」
「う……ごめん」
「またあいつに乗せられそうになってるし」
そう言われて、またしてもちゃんとハッキリ拒否できなかったことを反省した。
結局またりっくんに助けてもらっちゃったし。ダメだなぁ、私。
なんだか振り回してばっかりだよ。
それに、さっきのこともちゃんと謝らなくちゃ。
「あ、あの……さっきはごめんね」
「えっ?」
「りっくんにはいつも助けてもらってるのに、私全然彼女のフリちゃんとできてなかったし、りっくんの役に立ててなくて。それなのに、あんな逆切れみたいなこと言っちゃって……」