【完】俺がずっと、そばにいる。
うつむきながら反省したようにそう告げると、次の瞬間ポンと頭の上に大きな手のひらが乗る。
驚いて顔を上げたら、りっくんもまた申し訳なさそうに謝ってきた。
「いや、俺のほうこそさっきはごめん。言い過ぎた」
「えっ……」
「なんかあいつに挑発されて、すげぇイラついて」
少し恥ずかしそうに視線を横に向けながら話す彼を見ていると、なんだか胸の奥がムズムズしてくる。
結局、どんなに喧嘩して怒らせても、りっくんは必ず私が困ってたら助けてくれるし、自分から謝ってくれるから。
やっぱり誰よりも優しい人なんだ。
そんな彼に対してひどい態度をとってしまったことを、あらためて申し訳なく思う。
「ううん、大丈夫。りっくんは悪くないよ。迷惑かけちゃったのは私のほうだし。ごめんね」
「いや、俺も大人げないこと言ったし、ごめん。なんかあいつがムカつくことばっか言うから、ムキになってたっつーか」
「……ウソ。そうなの?」