【完】俺がずっと、そばにいる。
「あ、ゆず。来た」
下駄箱に着くと、ちょうどそこで待っていてくれたかのように、りっくんがスマホをいじりながら壁にもたれかかって立っていた。
「あれ?りっくん。まだ帰ってなかったんだ」
「いや、お前のこと待ってたんだよ」
「えっ!そうだったの?ごめん。ありがとう」
「玲二今日バイトだからさ、ゆずと帰ろうと思って」
そっか。わざわざ私が来るの待っててくれたんだ……。優しいな。
一人でも別にいいかなとは思ってたけど、りっくんが一緒だと心強い。
そんなことを思いながら、下駄箱にある自分の靴を取り出す。
すると、隣で同じく靴を取り出していた彼の手元から、何かがパサッと下に落ちた。
ん?これは……封筒?
ってことは、まさか。
「あれ、なんか落ちたよ?」