【完】俺がずっと、そばにいる。

「さ、寒い……」


外に出ると、空気がひんやりとしてすごく冷たかった。


先日11月に入ったばかりだけど、そろそろコートを着たほうがいいのかな?


一応冬用のインナーも着てるんだけど、カッターシャツの上にカーディガンとブレザーだけじゃ、帰りは寒いかもしれない。


それに今朝は急いでて、マフラーしてくるの忘れちゃったし。


りっくんの横を歩きながら手をこすり合わせ何度も息を吹きかける。


すると、そんな様子を見ていたりっくんが、呆れたような顔で言った。


「そんな寒いか?」


「寒いよ。だって私、冷え症だし」


「ぷっ。おばさんかよ」


クスクスと笑われて、ムッとする私。


そりゃりっくんは寒くないでしょうよ。私と違ってマフラーしてるし。


「ひっど~!おばさんってなに?」


「冷え症とかババくせぇこと言うから」


「いやいや、若い人でも言うよっ!」


またすぐに人のことをバカにして~!


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