【完】俺がずっと、そばにいる。
そのまま駅の近くまで歩いてくると、ふと駅前の広場にある大きなツリーが目に入る。
クリスマスの時期になると、毎年ここにはツリーが飾られるんだ。
夕方の暗い時間になると電飾のスイッチが入るので、キラキラと七色に光ってとても綺麗だった。
「あ、ツリー光ってる!」
私が左手で指差すと、りっくんがボソッと呟く。
「ほんとだ。そういえば、もうすぐだな。クリスマス」
「えっ」
彼がそんなふうに自分からクリスマスのことを口にするなんて珍しいので、ちょっと意外だった。
今までクリスマスの話題を振っても特に興味なさげだったし、いつもはツリー見ても無反応だったのに。
確かクリスマスイブの日、りっくんは予定があるんだよね。
誰かと約束でもしてるのかな。