【完】俺がずっと、そばにいる。
「そうだよね~、もうすぐだよ。今日だってみんなイブの日の話で大盛り上がりだったもん。琴子は彼氏とイルミネーション見て、そのあと彼氏の家に泊まるんだって」
「へぇ、泊まるのかよ。すげぇな」
「すごいよね。あ、あとね、掃除の時間に聞いちゃったんだけど、玲二くんは今年は誰もデートしてくれないからクリぼっちかもって嘆いてたよ」
「あぁ、それは俺も聞いた。あいつも遊んでばっかいないで、いいかげん真面目に恋愛すればいいのに」
「あははっ、そうだよね~」
なんて、ワイワイ話しながら二人ツリーの横を通り過ぎる。
するとりっくんがふいにこちらを振り返って、真面目な顔で聞いてきた。
「……ちなみに、お前はどうすんの?クリスマスイブ」
「えっ?」
思いがけないことを聞かれてドキッとする。
「え……っ、私?私は、特に予定はないけど……」
ほんとはりっくんを映画に誘おうと思ってたんだけどね。誘えなくなっちゃったし。
「ぼっちで過ごすつもりかよ」
「なっ!だ、だって……」