【完】俺がずっと、そばにいる。
そうだよ。その予定はどうしたんだろう。
「は?予定?俺そんなこと言ったっけ?」
「だって今日、玲二くんがりっくんはイブの日予定があるって言ってたよ」
私がそう告げると、りっくんは少し困ったように顔をしかめる。
そして、照れくさそうに頬を染めながらつぶやいた。
「いや、だからそれは……お前と映画観る予定ってことだよ」
「えぇっ!そうだったの!?」
「あぁ。言っとくけど、俺は最初からクリスマスイブは、ゆずと一緒に過ごすつもりだったんだけど」
「……っ」
思いもよらぬ彼のセリフに、一瞬言葉を失う。
わあぁ、どうしよう……。
それじゃありっくんも、同じことを考えてくれてたってこと?
なにそれ。めちゃくちゃ嬉しいかもしれない。
「ダメだった?」
「……だ、ダメじゃないっ!私も、りっくんと一緒に映画観にいきたいって思ってたから、嬉しい……。ありがとう」