【完】俺がずっと、そばにいる。

なんだろう?気になるな。


そんなにいつもと違うかな?私。


「意外と時間ギリギリになっちゃってごめん。もしかして待った?」


5分前には着くようにと思って家を出たのに、意外にも時間ぴったりだったので私が謝ると、りっくんは首を横に振る。


「いや、全然。来たばっかだし」


だけど、よく見ると彼の鼻は赤くなっていて、なんだかすごく寒そうで。


正直さっき来たばかりのようには見えないんだけど……。


どうしよう。実はかなり早めに着いてたとか?


いつかみたいに、私がりっくんよりも早く着いちゃって不安になったりしないように。


「でも、りっくん鼻赤いよ。やだ、実はずっと待ってた?寒かったでしょ」


「いや、待ってない」


ほんとかな?


座っているりっくんの前に立って、彼の手にピタッと触れてみる。


すると、いつも温かいはずの彼の手が、今日は私以上に冷たくなっていて驚いた。


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