【完】俺がずっと、そばにいる。
指をさして見せたら、りっくんも驚いたように目を見開いた。
「うわ、ほんとだ。すげぇ」
「キレイだね~。まさかクリスマスイブに降るなんて。ロマンチック」
目の前には七色に輝くツリーと、その上から降り注ぐ白い粉雪。
その光景は美しい以外の何物でもない。
「ホワイトクリスマスだな」
りっくんが私のほうを見て、微笑みながらつぶやく。
「ほんとだね」
少しの間、その場に二人並んで降ってくる雪をじっと眺めていた。
本当にキレイだなぁ……。
ずっと見ていたくなっちゃう。
「なんか、こんなタイミングで降られたら、帰るのがもったいなくなっちゃうよね」
雪を見上げながら、何気なくそんなことを口にする私。
すると、隣にいたりっくんがふいにこちらを振り返って。
「……じゃあもう、帰るのやめとく?」
「え?」