【完】俺がずっと、そばにいる。

指をさして見せたら、りっくんも驚いたように目を見開いた。


「うわ、ほんとだ。すげぇ」


「キレイだね~。まさかクリスマスイブに降るなんて。ロマンチック」


目の前には七色に輝くツリーと、その上から降り注ぐ白い粉雪。


その光景は美しい以外の何物でもない。


「ホワイトクリスマスだな」


りっくんが私のほうを見て、微笑みながらつぶやく。


「ほんとだね」


少しの間、その場に二人並んで降ってくる雪をじっと眺めていた。


本当にキレイだなぁ……。


ずっと見ていたくなっちゃう。


「なんか、こんなタイミングで降られたら、帰るのがもったいなくなっちゃうよね」


雪を見上げながら、何気なくそんなことを口にする私。


すると、隣にいたりっくんがふいにこちらを振り返って。


「……じゃあもう、帰るのやめとく?」


「え?」


< 271 / 376 >

この作品をシェア

pagetop