【完】俺がずっと、そばにいる。
彼は、私にとってかけがえのない大切な友達。
だからこそ、こんな中途半端な気持ちのまま彼と付き合うのはいけないことのような気がする。
このまま彼の優しさに甘えてしまうのは、ずるいんじゃないかって。
彼の気持ちがすごく真剣だってわかるからこそ、なおさら――。
うん。やっぱり私には、まだ……。
「あ、あの……っ」
長い沈黙の末、おそるおそる口を開く。
「ありがとう。りっくんの気持ち、すごく嬉しい。でも、私……」
言葉に詰まる私を、りっくんが不安そうな目で見つめる。
その表情にズキンと胸が痛む。
「り、りっくんとはやっぱり……友達で、いたい」
「えっ……」
「だから……ごめんなさいっ」
口にした途端、涙があふれてきた。
結局私は、こんなふうにしか言えなかった。
どうしたら彼を傷つけなくて済むのか、一生懸命考えたけど、他に言葉が見つからなくて。