【完】俺がずっと、そばにいる。
りっくんに惹かれている気持ちもあったから正直迷ったけれど、期待させるようなことを言うのはいけないと思ったし、彼の気持ちを知ってしまった以上、このまま恋人のフリを続けることはもちろん、今まで通りの関係でいることもできない。
本当は、この関係を壊したくはなかった。りっくんを失いたくなかった。
でも、そんなの私のわがままだから……。
「ゆず……」
りっくんが、潤んだ目で私を見つめながら再び問いかけてくる。
「どうしても、俺じゃダメ?やっぱり友達以上に見れない?」
私はこぼれる涙を手袋で拭いながらうなずいた。
「う、うん……」
友達以上だと思ってるんだよ、本当は。でも……。
「や、やっぱり私、今はまだ……新しい恋は、できないと思う……」
震える声でそう告げたら、りっくんは小さな声で納得したようにうなずいた。
「……そっか」