【完】俺がずっと、そばにいる。
りっくんは今、どんな気持ちでいるのかな。
これから私、りっくんとどんなふうに接していけばいいのかな。
もしかして、このままずっと気まずい関係になってしまうのかな……。
そんなことばかりが頭の中をめぐって、ずっとモヤモヤしていた。
――ピーンポーン。
その時ふと、インターホンの音が鳴って、ハッとして体を起こす私。
レースカーテンを開け、二階の部屋の窓から外を見ると、玄関にはベージュのコートに身を包んだ女の子の姿があった。
……あっ、琴子だ。
「柚月ーっ!お客さんよー!」
「はーい」
ちょうど階段の下からお母さんにも声を掛けられ、慌てて一階まで降りていく私。
実は今日は、琴子と一緒にうちで勉強をすることになってるんだ。
冬休みの課題を二人で一緒にやろうって、私が彼女を呼んだの。
でも、本当の目的は、りっくんとのことを話したかったからだったりして。