【完】俺がずっと、そばにいる。

放課後になると、琴子がいつものように慌てて教室を出ていく。


彼女はあのクリスマスイブ以来、彼氏の佐伯くんとますますラブラブになって、毎日幸せそうにしてる。


今日も待ち合わせて一緒に帰るみたいだし。


良かったなぁと思う反面、ちょっぴり羨ましかった。


りっくんとは冬休みが明けてからは、まだ一度も一緒に帰っていない。


別に避けているわけじゃないけど、なんとなく「帰ろう」とは言いづらくて。


それは向こうも同じだろうし、仕方ないやと思ってここ最近は毎日暗い中一人で帰っていた。


時々他校生にナンパされたりおじさんに声をかけられたりもする。


そのたびに、あらためてりっくんがそばにいてくれたことのありがたみを実感する。


一人で帰るのって結構寂しいんだな、なんて思ったりして。


いまさらのように彼を恋しく思っている自分に呆れてしまった。


バカだな、私……。


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