【完】俺がずっと、そばにいる。

そのまま靴を履き、背を向けてササッと昇降口を出ていくりっくん。


私はその背中を見送りながら、しばらくその場で呆然としてしまった。


一緒に帰れない……か。


その言葉にわけもなくショックを受けている自分に驚く。


りっくんがバイトを始めたことを今聞くまで知らなかったことも少しショックだったし。


彼との間にまた距離ができてしまったように思えて、少し寂しかった。


仕方ないよね。今まで通りになんてできるわけないのに。


どこかでそれを望んでいた私がわがままなんだ。


りっくんのことはもう、今までみたいに頼ったらいけない。


甘えたらいけない。


わかってたつもりだけど、私はどこかで甘えていた。


だからもう、やめにしなきゃ……。


凍えるような冬空の下、薄暗い帰り道を一人でとぼとぼ歩きながら、何度も心の中で自分に言い聞かせた。


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*


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