【完】俺がずっと、そばにいる。
それからというもの、私とりっくんは学校でも次第に話さなくなって、そのままどんどん距離ができていってしまった。
私が遠慮し始めたのもあるけれど、それ以上に彼のほうから距離を置かれているような感じがして。
いつも一緒にいたはずの彼は、いつの間にか私のそばからいなくなっていた。
私を取り巻く環境も、りっくんを取り巻く環境もどんどん変わっていく。
絶えず変化していく日常に、心がついていかない。
今日も休み時間は、ボーっと席に座ってなんとなくスマホをいじりながら過ごす。
「梨月くん!おはよう」
そんな時、聞き覚えのある声にハッとして目を向けると、そこには長いウェーブの黒髪を揺らしながらりっくんの席の前に立つ一人の女の子の姿があった。
あ、またあの子……。