【完】俺がずっと、そばにいる。
なんて思ってたら、彼は数秒間をおいて、それからフッと息を吹き出すようにして笑った。
「バーカ。断ったに決まってんだろ。OKなんかしねぇよ」
「あらら、なんだぁ……」
びっくりした。ついに彼女できたのかと思ったよ。
「……もし、OKしてたらどうすんの?」
「えっ?」
すると急に真面目な顔になるりっくん。
「俺に彼女できたら、ゆずはどう思う?」
その質問に、一瞬わけもなくドキッとした。
もしも本当にりっくんに彼女ができたら……どうなんだろう。
「え、そ、それは……応援してあげなきゃね?」
「は?」
「だって、親友の幸せを願うのは当たり前じゃん?」
言いながらどことなく何かが引っかかるような気がしたけれど、思ったことをそのまま告げたら、りっくんは急に私の頭の上にビシッと手を乗せてきた。
そしてわしゃわしゃと髪を乱暴にかき乱す。
「きゃーっ!ちょっと、なに!?」
「ムカつく」
えっ……?