【完】俺がずっと、そばにいる。
ねぇ、りっくんって、あんなに女子に優しくしてたっけ?
あの子は……亜美ちゃんは特別?
いつのまにそんな仲良くなったのかな。
おかしいな、私。なんでこんなにショックなんだろう。
りっくんのこと、自分で振ったくせに。
まるで自分がいつまでも彼の特別でいたいと思ってるみたいだ。
りっくんが他の女の子と仲良くしてるのが、嫌だって思ってる。
他の子にとられたくないなんて思ってる。
なにこれ。まるで独占欲みたい。
りっくんが他の女の子を好きになったら嫌だなんて、そんなの自分勝手すぎるよね。
どうしてこんな気持ちになるんだろう。
どうしてこんなに苦しいんだろう……。
思わず膝の上に乗せた手をぎゅっと握りしめ下を向いたら、手袋のウサギ柄がふと目に入る。
クリスマスイブの日に、りっくんにもらったこの手袋。
それを見たら急に今までの彼との思い出が色々とよみがえってきて。
「……っ」
気が付いたら、どんどん涙があふれ出してきた。