【完】俺がずっと、そばにいる。

ドクドクと鼓動が早まって変な汗が出てくる。


焦りとショックでその場から動けなくなる。


すると、そんな私の腕をふいに横から琴子がギュッと掴むと、そのまま強引に誰もいない階段の前まで引っ張って連れて行った。


立ち止まった瞬間、険しい顔をして私と向かい合う琴子。


「ちょっと柚月、今の会話聞いた!?」


「う、うん」


「あの子、亜美ちゃん、梨月くんに告白するかもだって!どうするの?」


「えっ。ど、どうするって……」


「やっぱり本気だったんだよ。やばいじゃん。このままじゃ、梨月くんあの子に取られちゃうかもしれないよ!」


「なっ……」


「ねぇ、柚月はいいの?それでも平気?」


< 326 / 376 >

この作品をシェア

pagetop