【完】俺がずっと、そばにいる。
ドクドクと鼓動が早まって変な汗が出てくる。
焦りとショックでその場から動けなくなる。
すると、そんな私の腕をふいに横から琴子がギュッと掴むと、そのまま強引に誰もいない階段の前まで引っ張って連れて行った。
立ち止まった瞬間、険しい顔をして私と向かい合う琴子。
「ちょっと柚月、今の会話聞いた!?」
「う、うん」
「あの子、亜美ちゃん、梨月くんに告白するかもだって!どうするの?」
「えっ。ど、どうするって……」
「やっぱり本気だったんだよ。やばいじゃん。このままじゃ、梨月くんあの子に取られちゃうかもしれないよ!」
「なっ……」
「ねぇ、柚月はいいの?それでも平気?」