【完】俺がずっと、そばにいる。

真剣な顔で問い詰めるようにそう聞かれて、黙りこくる私。


やっぱり、琴子はもう気づいてるんだ。私の気持ちに。


私がうつむいたまますぐに言葉を発せずにいたら、琴子が呆れたようにため息をつく。


「……はぁ。私もさ、柚月の気持ちもわかるからあんまり言いたくなかったけどさ、ちょっともう見てられないんだよね。だって最近の柚月、いつも暗い顔してるじゃん。なんか抜け殻みたいだし。そんな柚月見てるの、私だって辛いよ」


「琴子……」


あぁ、そうだったんだ。


私ったら、琴子にまでこんなに心配かけて、なにやってんだろう。


「これも全部、梨月くんの告白断ってからだよね？違う？」


「……っ」


「柚月、本当は後悔してるんじゃないの？」


後悔、という言葉がグサッと胸に刺さる。


「ねぇ、いいの？このままで……」


ふいに顔を上げると、琴子の瞳がまっすぐに私をとらえている。


その目はまるで、すべてを見透かしているかのようで。


気が付いたら、私の目からはポロポロと大粒の涙がこぼれ落ちていた。