【完】俺がずっと、そばにいる。
ゆっくりと首を横に振ってみせる。
「……よ、よくない」
全部、琴子の言う通りだ。
「全然、よくないよ……っ」
そう。私、ずっと後悔してたんだ。あの日から。
「ごめんねっ、琴子。私、ずっと気づかなくて……。でも、琴子の言うとおりだよ」
自分でもようやく気が付いたんだ。
「やっぱり、私ね……りっくんが、好き……」
震える声で口にした瞬間、ものすごくドキドキしたけれど、なんだか少しすっきりした。
「柚月……」
「こんなの、勝手すぎるってわかってる。でも、りっくんと一緒にいられないの、すごく辛くて。いまさら振ったことを後悔してるの。バカだよね……」
こぼれてくる涙を手で拭いながら、琴子の胸に顔を寄せる。
「琴子、どうしよう……っ」