【完】俺がずっと、そばにいる。

ゆっくりと首を横に振ってみせる。


「……よ、よくない」


全部、琴子の言う通りだ。


「全然、よくないよ……っ」


そう。私、ずっと後悔してたんだ。あの日から。


「ごめんねっ、琴子。私、ずっと気づかなくて……。でも、琴子の言うとおりだよ」


自分でもようやく気が付いたんだ。


「やっぱり、私ね……りっくんが、好き……」


震える声で口にした瞬間、ものすごくドキドキしたけれど、なんだか少しすっきりした。


「柚月……」


「こんなの、勝手すぎるってわかってる。でも、りっくんと一緒にいられないの、すごく辛くて。いまさら振ったことを後悔してるの。バカだよね……」


こぼれてくる涙を手で拭いながら、琴子の胸に顔を寄せる。


「琴子、どうしよう……っ」


< 328 / 376 >

この作品をシェア

pagetop