【完】俺がずっと、そばにいる。
正直に話したら、由梨子さんは急に心配そうに顔を曇らせた。
「え、そっか……。そうだったんだ。あの、こんなこと聞いたらあれなんだけどさ、もしかしてゆずちゃんそれ、涼介に遠慮してる?」
「えっ?」
遠慮……?
突然涼ちゃんの名前が出てきて戸惑う私。
「どこかで自分が新しい恋をしちゃいけないとか、他の人と幸せになっちゃいけないんじゃないかみたいなこと思ってたりしない?」
「え……」
その言葉はかなり衝撃的で、だけどどこか思い当たる節があった。
おそらく私は、ずっとどこかでそう思っていた。
涼ちゃん以外の人を新たに好きになるなんてできないとずっと思ってたし、あれ以来自分が新しい恋愛をすることに対して抵抗があった。
「いや、なんかね、ゆずちゃん今でも涼介の命日にはお花を持ってお墓参りに来てくれてるってお母さんから聞いてたし、私もすごく嬉しかったんだけど、その反面ちょっと心配だったの。ゆずちゃんがいつまでもずっと事故のことを引きずってたりしないかなって」
「そ、それは……」