【完】俺がずっと、そばにいる。

そんなふうに言われたらもう、泣くしかなかった。


「あ、ありがとうございます……っ」


その場でこらえきれず涙を流す私の頭を、由梨子さんが優しく撫でてくれる。


「よしよし」


そして、落ち着くまでそばにいてくれて、私が泣き止んだあと彼女は、「次会う時は彼氏紹介してね」なんて言いながら笑顔で去っていった。


悲しみを乗り越え、前を向いて進もうとしている彼女はなんだかとてもキラキラして見えて。


私もそう在らなくちゃと強く思う。


同時に胸の奥につかえていた何かが取れたような気がして、なんだかとても心が軽くなったような、不思議な気持ちだった。


私、幸せになってもいいんだ。いや、幸せにならなくちゃいけないんだって。


< 339 / 376 >

この作品をシェア

pagetop