【完】俺がずっと、そばにいる。

久しぶりに呼ばれたその名前。


おそるおそる顔を上げると、りっくんはすごく驚いた表情をしている。


「えっ……どうした?なにしてんの、ここで」


私はりっくんを探しに来たとは言えず、とっさに適当なことを言ってごまかしてしまった。


「あ、いや……ちょっと買い物してブラブラしてて、たまたま……。りっくんは、バイト?」


「うん。そうだけど……」


そのリアクションからして、おそらく私からの着信やメッセージには気が付いてなさそう。


すると、すぐ横にいた亜美ちゃんがすかさずりっくんの腕をギュッと掴んで。


「ふふふ、そうなの。さっき二人ともバイトが終わったところでね。梨月くんたら優しいから、私のこと心配していつも駅まで送ってくれるの~」


まるで私に何かアピールでもするかのようにそう告げてくる。


「はっ?」


りっくんはそれを聞いて戸惑ったような声を上げていたけれど、私はもろにダメージを受けて返す言葉を失ってしまった。


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