【完】俺がずっと、そばにいる。
「今日もこれから一緒に帰るところで~」
「おい時田……」
「姫川さんは、梨月くんに何か用でもあったの?」
私がりっくんに会いに来たことを察したのか、わざとらしくそんなふうに聞いてくる亜美ちゃん。
「えっ、いや……」
「あれ?たしか二人って別れたんだよね?今はもう付き合ってないよね?それなのにどうして……」
〝別れたんだよね?〟
その言葉でさらにダメージを受ける私。
みんなからはそう思われているわけだから仕方ないんだけど。
きっと亜美ちゃんから見たら、私はりっくんの〝元カノ〟だけど。
あまりの気まずさから、なんだかその場にいるのが耐えられなくなってくる。
りっくんに告白しようって決意したばかりだったのに。
せっかく会えたところだったのに。
なんだかいけないことをしに来たような気持ちになる。
どうしてこうもタイミングが悪いんだろう。
やっぱりもう、帰ろう……。
「あ、いえ……お邪魔しましたっ!」