【完】俺がずっと、そばにいる。

「今日もこれから一緒に帰るところで~」


「おい時田……」


「姫川さんは、梨月くんに何か用でもあったの?」


私がりっくんに会いに来たことを察したのか、わざとらしくそんなふうに聞いてくる亜美ちゃん。


「えっ、いや……」


「あれ?たしか二人って別れたんだよね?今はもう付き合ってないよね?それなのにどうして……」


〝別れたんだよね?〟


その言葉でさらにダメージを受ける私。


みんなからはそう思われているわけだから仕方ないんだけど。


きっと亜美ちゃんから見たら、私はりっくんの〝元カノ〟だけど。


あまりの気まずさから、なんだかその場にいるのが耐えられなくなってくる。


りっくんに告白しようって決意したばかりだったのに。


せっかく会えたところだったのに。


なんだかいけないことをしに来たような気持ちになる。


どうしてこうもタイミングが悪いんだろう。


やっぱりもう、帰ろう……。


「あ、いえ……お邪魔しましたっ!」


< 345 / 376 >

この作品をシェア

pagetop