【完】俺がずっと、そばにいる。

いたたまれなくなった私は、勢いよくそう吐き捨てると、逃げるようにその場から走り出してしまった。


「おいゆずっ!」


その後ろから引きとめるようなりっくんの大声がする。


でも、もういいや。


そのまま振り返らずに、全速力で歩道を駆け抜ける。


さっきまでの晴れ晴れとした気持ちはどこへ行ったんだろうって思うくらいに、自己嫌悪でいっぱいだった。


何やってるんだろう私。なんで結局逃げてるの。


亜美ちゃんと一緒にいるりっくんを見ただけで、なんでこんなに弱気になっちゃうのかな。


バイトだったんだから仕方ないのに。当たり前なのに。


バイト先までわざわざ行かなければよかったかな。


そもそも今日告白しようと思ったのが間違いだったのかも。


やることなすこと裏目に出ている気がして嫌になる。


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