【完】俺がずっと、そばにいる。

私が声をかけると、小さくうめき声を上げる彼。


「う……っ。ゆず……」


「りっくん!りっくん!しっかりして!」


すると次の瞬間、りっくんが頭を横に傾けたのを見て、私はハッとして目を疑った。


視界に飛び込んできたのは、地面にべったりと着いた真っ赤な血液。


え、ウソッ。なにこれ……。


よく見るとその血は、彼の頭から流れ出ているもので。


しかも、かなりの量出血しているように見える。


もしかして、さっきの地面に転がった衝撃で、頭を……。


一気に背筋が凍って、自分の顔が青ざめていくのがわかった。


「や、やだ、りっくん……」


どうしよう。りっくんが、大ケガしてる。


私のせいで……。


私をかばったせいで、事故に……。


どうしよう。どうしよう!


「いやあぁ~っ!誰かっ……!」

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