【完】俺がずっと、そばにいる。
目の前の状況と重なるかのように、急に昔の記憶がフラッシュバックしてきて、頭の中がパニック状態になる。
ガタガタと体がありえないくらいに震えてくる。
ひどく動悸がして、息の仕方もわからなくなりそうで。
ウソだ。こんなのウソ。ウソだって言って……。
りっくんが……死んじゃう?
もしかして私、このままりっくんまで失ってしまうの?
そんなの、嫌。嫌だよ……っ。
「おい、なんだ。事故か?」
「男の子が倒れてるぞっ!」
ざわざわと人が集まってくる気配がする。
周りの人たちの声が、どこか遠くに聞こえる。
クラクラとめまいがして、視界がぼやけてきて……。
「キャーッ!ちょっと!」
「誰か救急車を!」
叫び声と悲鳴が飛び交う中、私はそのまま意識を手放した。
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