【完】俺がずっと、そばにいる。
だけど、彼の目は閉じられたまま。
思わず最悪の事態を思い描いてしまう。
「りっくん!お願いっ!目を覚まして!!」
彼の手を握り、泣きながら何度も何度も呼び掛ける。
だけど、彼は何も反応しない。
ねぇ、ウソでしょう。
まさか、こんなことになってしまうなんて……。
あの時私があんなふうに逃げたりしなければ、りっくんは事故にあわないで済んだの?
私のことを助けるために。
私のせいで、こんな……。
後悔と自責の念で、今にも胸が押しつぶされそうだった。
人形のように目を閉じて眠るりっくんの頬にそっと手を当てる。
ねぇりっくん、目を開けて。
いつもみたいに呆れ顔で笑って見せてよ。
彼とふざけ合って楽しく過ごしていた日々の記憶がよみがえって、また涙があふれてくる。