【完】俺がずっと、そばにいる。
いつもそばにいてくれた。
私のことを誰よりもわかってくれた。
過去を思い出して辛かった時も、落ち込んでうまく笑えなかった時も、りっくんの存在に何度も救われた。
あの時はあんなふうに、「友達でいたい」なんて言ってしまったけれど、今思えば彼の告白にOKすればよかった。
もっと早く好きだって気づけばよかった。
私、まだ何も伝えられてないよ。
やっと自分の気持ちに気が付いたのに。
私には、りっくんがいなきゃダメなのに。
どうして……。
どうしてこんなことになってしまったの?
私はまた、一番大事な人を失ってしまうの?
お願い。行かないで。
行かないでよ……。
「……ゆ、ず」
その時、ふとかすれた声が小さく聞こえて。
ハッとしてりっくんの顔に目をやったら、彼の目がわずかに開かれていることに気が付いた。