【完】俺がずっと、そばにいる。

いつもそばにいてくれた。


私のことを誰よりもわかってくれた。


過去を思い出して辛かった時も、落ち込んでうまく笑えなかった時も、りっくんの存在に何度も救われた。


あの時はあんなふうに、「友達でいたい」なんて言ってしまったけれど、今思えば彼の告白にOKすればよかった。


もっと早く好きだって気づけばよかった。


私、まだ何も伝えられてないよ。


やっと自分の気持ちに気が付いたのに。


私には、りっくんがいなきゃダメなのに。


どうして……。


どうしてこんなことになってしまったの?


私はまた、一番大事な人を失ってしまうの?


お願い。行かないで。


行かないでよ……。


「……ゆ、ず」


その時、ふとかすれた声が小さく聞こえて。


ハッとしてりっくんの顔に目をやったら、彼の目がわずかに開かれていることに気が付いた。


< 353 / 376 >

この作品をシェア

pagetop