【完】俺がずっと、そばにいる。
ウソッ……。目を覚ました!
思わず歓喜の声を上げる私。
「……りっくん!?りっくん!私だよ!わかる!?」
りっくんは私の問いかけに、目を細めてフッと力なく笑う。
私は彼の手をしっかりと握ったまま、今度こそ言わなくちゃと思い、話を切り出す。
「りっくん、あのね、聞いて。私ね、りっくんに伝えなきゃいけないことが……」
だけど彼は弱々しく息をしながら私を悲しそうな目で見つめると、突然こうつぶやいた。
「ごめんな……」
えっ……。ちょっと待って。どういう意味?
まるで別れを告げるみたいな彼の発言に戸惑いながらも、必死で語りかける私。
「り、りっくん!待って。あのね、私、本当はりっくんのことが……っ」
「ゆずが、無事でよかった……」