【完】俺がずっと、そばにいる。

私が言い終わらないうちに、今にも消えそうな声でそう言い放ったりっくん。


そして次の瞬間彼はゆっくり目を閉じると、そのまま再び眠ったように静かになった。


う、そ…………。


「りっくん?ねぇ、りっくん!!」


嫌だ。行かないで。


お願いだからもう一度目を開けてよ。


ゆずって呼んでよ。


「りっくん!返事してっ!」


だけど、何度呼びかけても返事はなくて。


彼は眠ってしまったんだろうか。それとも……。


「りっくん!!」


泣きながら何度も何度も彼の名前を呼ぶ。


だけど、その体はピクリともしない。


そして、気が付いたらいつのまにか、彼の呼吸は止まっていた。


「そ、んな……」


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