【完】俺がずっと、そばにいる。

絶望の淵に突き落とされる私。


ウソでしょ……。こんなの、信じられない。


どうしてこんなことに。


神様はどこまで意地悪なの。


私は何度、大切な人を失えばいいの。


ねぇ……。


りっくんの手をぎゅっと握りしめると、なぜだかその手がどんどんと温度を失って、冷たくなっていく。


「え、ウソ。なんで……っ」


それは、いつかの涼ちゃんの手を握ったあの日と重なった。


「い、いやあぁぁ~っ!!」


嫌だ。りっくん。


お願いだから。


神様どうか、りっくんを連れて行かないで。


私、まだ何も伝えられてないの。


お願い――。


そう願った途端、急に視界が真っ暗になり、自分の姿も何も見えなくなる。


あぁ……。



――――――


――――


――



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