【完】俺がずっと、そばにいる。
「……ゆず」
すると、その瞬間どこからか、聞き覚えのある愛しい人の声が再び聞こえてきた。
ん?あれ……?
「おい、ゆず」
この声は……りっくん??
ウソでしょ。どうして彼の声が。
だって今、りっくんは確かに……。
なんか変だよ。
ちょっと待って。これは一体……。
なぜかさっきまでとは違って、やけに体が温かく、頭がぼんやりすることを不思議に思いながらも、おそるおそる目を開ける。
すると、その瞬間視界に映ったのはまさかの……先ほど息絶えたはずの彼だった。
頭と片腕を包帯でぐるぐる巻きにして、顔にもガーゼを貼って。
その姿は実に痛々しいけれど……なんだか元気そう?
あれ?なんで?
しかも、まっすぐこちらを見つめる彼は、普通に意識があるみたいだし。寝てるどころか椅子に座ってるみたい。
「よかった。目覚ました」