【完】俺がずっと、そばにいる。
何言ってんだとでも言いたげな顔をするりっくんの体に、ギュッと抱きついた。
「よかったぁ……。りっくんが無事で、本当によかった」
さっきはもうダメかと思っちゃったよ。
「……っ。生きてるにきまってんだろ。大丈夫だよ。ちょっとケガしただけで、なんともねぇよ」
「えぇっ!ちょっとって……全然ちょっとじゃないでしょ。頭のケガとか、大丈夫なの?」
思わず顔を上げて問いかけたら、りっくんは涼しい顔で答える。
「あぁ。腕はただの捻挫みたいだし、頭もちょっと出血したけど何針か縫って終わり。念のためレントゲンとか検査もしてもらったけど異常なかったし」
「ぬ、縫ったの……?」
それって想像しただけで、だいぶ痛そう。
「うん、ちょっとだけ。でも別に、命に関わるようなケガはしてねぇから。車もそんなにスピード出てなかったから、軽く当たっただけだし」
「……そ、そうだったんだ。よかった……って、よくないよっ!頭縫ったとかじゅうぶん大ケガじゃん!」