【完】俺がずっと、そばにいる。

「バカ。大丈夫だから。俺は死なねぇよ。絶対いなくなったりなんかしない」


「……っ、ほんと?」


「あぁ。言っとくけど、俺しぶといからな。ゆずのことだって、あきらめるつもりないし」


「えっ……」


だけど、突然彼の口から放たれた思いがけないセリフで、一瞬涙が止まった。


う、ウソ。今なんて……。


あきらめるつもりない?


じゃありっくんは、まだ……私のことを?


おそるおそる顔を上げると、りっくんは少し照れくさそうに頬を染め、下を向く。


「フラれたくせに未練がましいよな。ごめん。でも別に、友達でもいいから、やっぱり俺はゆずのそばにいたいって思ったんだよ」


「……っ」


「最初はあきらめようって思って、バイト始めて気を紛らわせたりしてたけど、結局ダメだった。ゆずと離れてみて、距離を置いてみて、気が付いた。あきらめるとかやっぱ無理だなって」


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