【完】俺がずっと、そばにいる。
その後、一時退室していたりっくんの母親と、塾帰りの聡を連れたうちのお母さんが病室に戻って来て、みんなでとりあえず無事だったことを喜び合いながら病院を出た。
お母さんは傷だらけのりっくんに何度も「ありがとう」とお礼を言っていて、私を守ってケガをした彼に対して、すごく申し訳なさそうにしてた。
りっくんは、自分の母親に私のことを聞かれて、てっきりクラスメイトだとでも紹介するのかと思ったら、さっそく「彼女」だって答えていて。
うちのお母さんにもきちんと挨拶してくれたから、お母さんも聡も「いつの間に彼氏できたの」なんてビックリしていたけれど、照れくさい反面、すごく嬉しかった。
りっくんのお母さんもすごくしっかりした感じのいい人で、初対面だったにもかかわらず、「今度またうちに遊びに来てね」なんて言ってくれて。
大変な出来事のあとだったにもかかわらず、なんだかとても幸せな気持ちのまま家に着いた。