【完】俺がずっと、そばにいる。
「りっくん、どうしたの?」
『お前、今どこ?もう帰った?』
「え、あ、うん。今駅にいるよ」
『は?マジで?早くね?』
「へへへ~。だって今日は欲しかった漫画の発売日だからさ、ダッシュで本屋まで来ちゃった。りっくんは、玲二くんと一緒じゃないの?」
『あぁ、玲二のやつ急にバイト出ることになったから先帰ったよ』
「え、そうなんだ。じゃあ一人なの?」
スマホを片手に会話しながら駅前の道路の端を歩く。
だけど話に夢中になっていたら、あんまり周りをちゃんと見ていなかったらしく、次の瞬間すれ違った誰かにカバンがぶつかってしまった。
「いって!」
「……あっ、ごめんなさい!」
とっさに謝る私。
おそるおそるそのぶつかった相手の顔を確認すると、その人物は、近くの常盤高の制服を着たヤンキー風の男の子だった。