【完】俺がずっと、そばにいる。

うわっ、どうしよ……。


しかも、そのうしろには派手な仲間が二人いる。


見た目からしてなんかやばそうだと思い、念のためもう一度頭を下げた。


「ほ、ほんとにすいませんでしたっ!」


「おいおいおい~」


するとその男は、少しニヤニヤした顔で私に詰めよってきて……。


「もしもし?おいゆず、どうした?」


スマホ越しにりっくんが問いかける声が聞こえてきたけれど、これは電話どころじゃないと思い、とっさに通話ボタンを切る。


りっくんには、あとでかけなおそう。


「なにボーっと歩いてんのかな~?今俺、めーっちゃ痛かったんだけど。どうしてくれんの?」


「す、すいません……」


「しかもキミ、よく見るとめっちゃ可愛いじゃん~」


するとそこで、横にいた仲間の1人がハッとした顔で私を指さす。


「あっ、この子、桜坂の……噂になってる春瀬ひまり似の可愛い子じゃね?」


「えっ、マジ?ほんとだ!似てる!!」


「やばい、超ラッキー。連絡先教えてよ」


「えっ、あの……」


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