【完】俺がずっと、そばにいる。

じりじりと詰め寄られ、逃げ場がなくなる。


どうしよう……。よそ見してた自分が悪いとはいえ、こんな人たちに絡まれるとか最悪だよ。


ほんとについてない。


男はしっかりと腕をつかまえていて、逃げることができない。


周りには二人の仲間が私を取り囲むようにしてニヤニヤしながら見ている。


「お、お願いです……。離して……」


震える声で懇願するものの、男は離してくれなくて、逆に泣きそうな私を見て楽しんでいるかのようだった。


「えー?離してほしい?だったらちゃんとお詫びしてくんねーとなぁ~。どうすんの?俺とデートする?それとも今ここでチューでもしてくれんの?」


「やだ……っ」


「じゃあどうすんだよ~」


そのまま男はどんどん顔を近づけてきて、私は体がブルブル震え、思わず目に涙がにじんでくる。


ねぇ、どうしたらいいのかな。怖い……。誰か助けて。


もうこうなったら観念して連絡先を教えるしかないのかな。そしたら離してくれるかな……。


そう思った時だった。


< 46 / 376 >

この作品をシェア

pagetop