【完】俺がずっと、そばにいる。
私が説明すると、呆れたようにため息をつくりっくん。
「……はぁ。ったく、だからなるべく一人で帰るなっつってんだろ。ただでさえお前、ナンパとかされやすいのに」
「ご、ごめんね……」
申し訳なさそうに謝ると、りっくんは私の手首をぎゅっと掴む。
「つーか、大丈夫なのかよ。なんもされてねぇよな?」
そして確認するように顔を覗き込んできた。
「うんっ、大丈夫だよ。りっくんがすぐ来てくれたから」
「なら、いいけど……。とりあえず間に合ってよかった」
ホッとしたようにそう告げる彼を見て思う。
りっくんは、私の様子がおかしいと思って慌てて駆けつけてくれたんだね。
さっきの電話だって、もしかしたら一緒に帰ろうと思ってかけてきてくれたのかな?
今日学校では何か怒らせちゃったみたいで、あんなに不機嫌だったのに。やっぱり優しいな……。