【完】俺がずっと、そばにいる。

さっき彼があそこで来てくれなかったらどうなってたんだろうと思うと、感謝してもしきれないよ。


まるでヒーローみたいだったし。


「ありがとう、りっくん。カッコよかった」


私がはにかみながら礼を言うと、少し照れたようにパッと目をそらすりっくん。


「なっ……何がだよ」


「へへ、だってまさか彼氏のフリして助けてくれるなんて思わなかったからさ」


ほんとにさっきはビックリしたよ。「俺の彼女」みたいに言うから。


でもおかげですごく助かった。


「……っ、ああいう奴らにはあんなふうにでも言わないとしつこそうだろ。必死だったからとりあえず彼氏ってことにしといたんだよ」


必死だったんだ……。


「そうだよね、ありがと。助かったよ。さすがりっくん、頭いいね!」


なんて、私が褒めながらりっくんの腕をポンと叩くと、彼はなぜかそこで数秒考えこんだように黙り込む。


そして、ボソッと小さな声でつぶやいた。


「……なんなら、これからもしてやってもいいけど」


「えっ?」


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