【完】俺がずっと、そばにいる。
でも、今話しているのはあくまで“フリ”で、本当に付き合うわけじゃないんだもんね。
「……まぁ、だったら無理にとは言わないけどな」
りっくんは黙り込む私を見て、遠慮したようにそう告げる。
だけど、それを聞いた私はなぜか無意識に返事をしていた。
「……や、やる」
「えっ?」
「あ、やるっていうか、あの……お願いします!りっくんが迷惑じゃなければ……」
半分直感というか、そんな感じだった。
せっかく彼が私のことを気遣ってくれたわけだし、こういうのもアリなのかもしれないって。
相手がりっくんならいいと思った。
もとからいつも一緒にいるから付き合ってることにしてもみんな驚かないだろうし、それでりっくんも助かるっていうのなら、お願いしてみようかなって。
おそるおそるりっくんを見上げると、私がOKしたのが意外だったのか、彼は少し驚いたように目を見開いている。
だけどすぐにクスッと優しく笑った。
「フッ、迷惑なわけねぇだろ。俺が頼んだんだし。じゃあ決まりな」